うつ病

☆ ☆ うつ病 ☆ ☆

 誰でも、「なんだか気分が沈む」「何となくゆううつだ」等、気分が落ち込むことがあるでしょう。ですが、普通なら、2~3日で、自然に解消され、元の元気を取り戻すことができると思います。
 この、「なんだか元気が出ない」「気分が落ち込む」という症状は、「抑うつ気分」という「うつ病のサイン」でもあります。
 では、普通の気分の落ち込みと、「うつ病」と診断される違いはどこにあるのでしょうか。
 うつ病になると、病気をしめすさまざまな症状や変化が「こころ」と「体」の両方に現れてきます。

◆心に現れる主な症状・変化
□抑うつ気分の出現・楽しみの消失…「気分が晴れない」「ゆううつだ」
□意欲や興味・関心の低下…「何もやりたくない」「どうでもいいや」
□不安・焦燥感…「いろいろなことが心配になる」「イライラする」
□思考力・判断力・注意力の低下…「なんだか集中できなくて那覇市の内容がよくわからない」「どうすればよいかわからない」
□自責感…「みんな自分が悪い」「自分はダメな人間だ」
□希死念慮…「いなくなってしまいたい」「死にたい」

① 抑うつ気分の出現・楽しみの消失
時に深く落ち込み、強い不安感を訴えることがあります。表情からは笑顔が消え、理由もなく涙を流すことがあります。今まで、好きだった番組が、「テレビを見ていても面白くない」など、それまでその人が好きだったものが、楽しめなくなります。
朝が最もひどく、夕方になるにつれてよくなってくるのも特徴です。
そのため、初期症状では、朝がつらいので遅刻をしたり休みがちになったりします。
日中から夜にかけてはだんだん調子がよくなるため、笑顔をみせることができ、学校や会社にいる間は元気に見えます。外では動けるのに、家の中では横になることが多くなったというのも状態のサインの一つです。

② 意欲や興味・関心の低下
何事にもやる気をなくしてしまいます。仕事への意欲の低下・本人の今まで大好きだったことに興味を失う。これまでと同じように取り組めない。人と会うことがおっくうで、約束をしていても外出できないなどの変化もみられてきます。
気分転換ができなくなります。休日は寝床に入ったまま、一日中ゴロゴロしているようになります。主婦は家事ができなくなることがあります。

③ 不安・焦燥感
お金のことを極度に心配する。重い病気になっているのではないかと思い込みが生じる。将来のことが不安でたまらない。何をやってもうまくいくはずがないと悲観的なり、強い不安感があります。
ちょっとしたことでもイライラしたり、落ち着きがなくなったりする。じっとしていられなくなることもあります。

④ 思考力・判断力・注意力の低下
仕事面や生活面で、今まで普通にできていたことが遅くなり、効率が低下します。
何をするにもなかなか決断できなくなります。集中力がなくなり、行動に時間がかかるようになります。
今まで、難なくできていたはずの仕事も、難しいと感じるようになり、残業が増え、帰宅が遅くなります。本人は遅れを取り戻そうと頑張るため、残業が続き、朝の症状が重くなるという、悪循環に陥ります。
新聞を読んでも見出ししか頭に入らない。話をしていても相手が話していることがよくわからなくなる。物忘れがひどくなる。注意力散漫でけがをしてしまったなどの症状が出てきますので、注意が必要になってきます。
重症になると、「自分は不治の病にかかっているのではないか」という思い込みにとらわれて、それを修正できない状態「心気妄想」に陥ることがあります。
⑤ 自責感
はっきりとした理由がないのに、「自分はダメな人間だ」「申し訳ない」といった過剰な罪悪感を抱きます。過去のことをいつまでも繰り返し悔んだり、くよくよしたりします。
「自分は会社にいる価値がない」と言って、突然会社に辞表を出すという行動に出ることもあります。
重症になると「自分は重要な罪を犯してしまった」「取り返しがつかない」など、現実にはない思い込み「在郷妄想(ざいごうもうそう)」という症状が出てくることもあります。

⑥ 希死念慮
重症のうつ病では、「死にたい」「消えてしまいたい」「自分などいなくなればよい」など、死を望む意識が強くなる「希死念慮」ことがあります。
生きている価値がないとか、未来への不安を強く訴えることが多くみられます。

◆体に現れる症状・変化
□睡眠障害:「眠れない」「朝早く目が覚めてしまう」
□食欲低下:「おなかがすかない」「食べてもおいしくない」「味を感じない」
□倦怠感・易疲労感:「だるい」「すぐに疲れる」
□不定愁訴:「頭が痛い」「めまいがする」「おなかの調子がおかしい」

① 睡眠障害
睡眠障害は、うつ病患者に多くみられる症状です。
・布団に入ってもなかなか眠れない。(入眠障害)
・途中で何度も目が覚める(中途覚醒)
・寝た感じがしない(熟眠感の欠如)
・予定していた睡眠時間よりも2時間早く起きてしまう(早朝覚醒)
この症状の中で(早朝覚醒)がもっとも特徴的です。

② 食欲低下
食欲がなくなり、何を食べても「砂をかむような」感じがする。おいしいと思えなくなる。
そのため、体重が急激義減少してしまいます。ただし食欲は必ずしも低下するとは限らず、反対に増進して体重が増えることもあります。
また、食欲だけではなく、性欲も減退することもあります。

③ 倦怠感・易疲労感
特に体を激しく動かしたとか、とても忙しい毎日を送っているわけではないのに、すぐに疲れてしまう。体が重く感じられる。
休息しても眠っても、疲れが残っている感じが抜けません。着替えや入浴など、日常生活の動作もなかなかこなせなくなるので注意が必要です。

④ 不定愁訴
このほかにも、頭痛、腰痛、腹痛、下痢、便秘、胃のむかつき、めまい、しびれ、動悸、ほてり、異常な発汗、肩こり、月経不順などの様々な体の症状が出ます。
これらは、自律神経という、体の調子を整える役割を担う神経の働きが、アンバランスになるために起こる症状です。
実際に体の病気がないかどうかをまず、各専門医(内科・整形外科・脳神経外科)などに診察をしてもらうことが大切です。
そのうえで、原因がはっきりせず症状が続く場合は、うつ病による症状の可能性もあります。一刻も早い「うつ病の治療」が必要になります。
しかし、病気によっては「うつ病」を同じ症状が出る重篤な病気もありますので、体の病気がないかどうかを検査することは、必ず行ってください。
※ 「うつ病」の可能性がある家族を、「精神病院に行きましょう」と勧めることは、難しいと思います。まず、内科医などの専門医にかかって、体の異常がないかを検査して、異常がなかったときに、「心も疲れているようだから、念のために心のほうも見てもらいましょう」という流れで本人に話すと、自然に「心の治療」へつなげることもできます。主治医から「専門医」の紹介をしてもらえる可能性もあります。
 さまざまなWebサイトに、「診断チェック」項目や知識が掲載されていますので、チェックをしてみる。また、メールや電話での専門医の相談ができるサイトも乗っています。◆「心の耳」厚生労働省
 自分自身に疑いを持っている場合にも、「うつ病に対する正確な知識と理解」を持っておくこと、積極的に学んでいくこと自体が治療になる場合もあります。

◆症状の個人差
 今までのご紹介した症状は実にさまざまあるわけですが、主に心の症状が強い、あるいは心の自覚症状は軽いのに体のほうに強く症状が出るなど、人によって出る症状が違います。一見してうつ病と判断できないところが、「うつ病」の難しいところです。
 とくに本人よりも、家族や周りの人のほうが、気づく可能性が高いです。

 ◆うつ病はだれでもなりうる病気です

 どうしてうつ病になってしまうのでしょうか。
 うつ病の発生率は、日本における一生にうつ病にかかる人の割合は、男性で7から12パーセント、女性が20~25パーセントです。つまり、日本人の6~7人に1人の割合でうつ病になっているということになります。
 患者としては確認されない「日本のうつ病予備群」は、300万~500万人程度に上るという推計が出ています(ある生命保険会社より)。
 つまり、だれにでも起きる可能性の非常に高い病気であるということです。

◆うつ病からの職場復帰は十分に可能です。
鬱病は気分が乗らないとか、甘いとかいう感情ではなく、心の病。病気です。
病気は治療をすることで改善し、もとの安定した精神状態になることが可能です。
また、うつ病の再発や職場復帰が不安な方は復職支援プログラムと呼ばれる、うつ病からの職場復帰の流れを作るプログラムが確立されていますので、うつ病からの職場復帰は十分に可能です。

◆原因は脳の機能障害です
 大事なことは、「心が弱いため」「気持ちの持ちようが悪いから」など、心に原因がある病気ではないということです。
 脳の機能(はたらき)に何らかの障害があることが、病気になりやすい原因となっています。ここへ、元の性格や生活環境の変化といった、「社会的・心理的原因」によって、体調など体の状態が複合的に重なり合って、病的な状態を引き起こすのです。
 私たちの感情や思考は、脳内にある神経細胞が複雑なネットワークを形作り、そこで情報伝達が繰り返されることで生まれます。
 脳の神経細胞の末端にある「シナプス」と呼ばれるところから「神経伝達物質」が放出されています。
 「神経伝達物質」にはいろいろな種類があります。
「セロトニン」…興奮や不快感を鎮める働きを持っています。この物質が出ると、興奮していた感情や不快な感情がやわらげられます。
「ドーパミン」…行動を引き起こす時に発生します。
「ノルアドレナリン」…神経を興奮させる働きがあり、不安や恐怖、覚醒、集中力、記憶などの行動にかかわってきます。

 これらの「神経伝達物質」によって、感情や思考の活動ができるわけです。
 しかし、脳の働きに何らかの異常が起きると、「神経伝達物質」が少なくなり、スムーズに伝達しなくなります。活動を促す電気信号が弱くなり、感情表現や思考・活動の力が鈍くなります。
 「うつ病」の症状は、こうした脳内のはたらきが低下することで起こります。
 つまり、脳のエネルギー不足で不調が起きている状態と言えます。
 ですから、本人がどんなに「一生懸命にやりたい」「きちんと仕事をしたい」と思っていても、心と体がうまく動かない。それが「うつ病」の状態です。
 ですから、「心が弱いため」「気持ちの持ちようが悪いから」など、心に原因がある病気ではないし、本人がどんなに頑張ろうとしても、自身ではどうにもできない状態なのです。
 他の人には、「仕事ができない」「怠けているようにしか見えない」状態でも、本人はどうにもできない状態であるため、会社や家庭などで誤解が生じ、非常に苦しむ病気でもあります。

◆「うつ病」を引き起こすきっかけ
 うつ病の予備軍から「うつ病」になってしまうきっかけはどんなことでしょうか。
●身体的きっかけ
□脳器質性疾患:脳血管障害、頭部外傷、パーキンソン病
□全身疾患:インフルエンザ、肝炎、こうげん病、内分泌疾患
□薬物使用:降圧薬、副腎皮質ホルモン、インターフェロン、口径避妊薬など
□生殖・発達過程:生理、産後、更年期、思春期
●心理的環境的きっかけ
□職業上の問題:昇進、退職、転勤、転職、就職、仕事の失敗など
□健康上の問題:妊娠、出産、流産、身体疾患、事故など
□家族関係の問題:家庭内葛藤、家庭内緊張、不和、子供の自立、結婚など
□経済問題:事業の失敗、投資の失敗など
□状況の変化:家の新築、引っ越し、旅行など
□健康問題:結婚・離婚、異性問題など

きっかけは、次の2つに分けられます。
●「身体状況」=体に関係したもの
●「心理・環境」=心に関係したもの
 心に関係したものは、生活や環境の変化など、「ストレス」と言われているものです。これらによってうつ病のきっかけとなることが多くみられます。
ストレスは「喪失体験」によって、非常に高まります。
身近な誰かがなくなる。ペットロス。健康の喪失など。だれが見ても悲しい出来事。
または、周りから見ると喜ばしい出来事であるのに、「昇進」「結婚」「家の新築」「出産」
などもストレスの原因となる場合があります。本人にとっては、長く慣れ親しんだ状況を失ったことになりますから、「喪失体験」になるわけです。喜ばしい変化も「きっかけ」になる場合があります。

◆うつ病になりやすい性格
 だれでも環境が変わったり、身近な人との離別を体験したりしたとき、一時的に気持ちが沈むことはあります。だれでも可能性があります。ですが、3か月以上たっても、自然な心の回復がうまくいかず、気分が落ち込み、体にさまざまな症状が出る。会社や家庭で、以前のように働くことが困難になってきた場合は、「うつ病」の可能性があります。
 また、喪失体験をした人全員が「うつ病」になるわけではありません。うつ病の発生には「考え方の癖」や性格も関係があると考えられています。

□まじめできちょうめん。完璧主義
□仕事熱心で責任感が強い
□凝り性、こだわりが強い、柔軟性に欠ける
□頼まれるとイヤと言えない
□他人の評価を気にする
□優先順位をつけず、すべて一辺倒にやろうとする
□人は人、自分は自分という「割り切り」ができない
□「~であるべきだ」「~でなければならない」を多用する
□「白か黒か」「100点か0点か」ほどほどであることが許せない
□自己否定的、悲観的
□感情表現が下手

 ご覧のとおりに、日本人として「美徳」とされる性格、企業として「望ましい気質」である人であるほど、「うつ病」の可能性があるということです。本来であれば、企業の中核、「あの人に頼めば大丈夫」「信頼できる」と評価される人にこそ、何かの大きなストレスがかかった時に「心身ともに疲弊している状態」であった場合、だれにでも起こりうる病気であることがわかります。
 家庭や仕事に対する責任感や、愛着が強い人。休みもとらずに誰かのために、会社のために頑張っている人。他人に頼らず自分で解決しようと頑張っている人。だれでもなりうるのです。

◆早期発見・早期治療が大切です
・状態が2週間以上続く場合
・大きな喪失体験の後に3か月しても気分の向上や自然な心の回復が見られない場合
・大きな喪失体験などのストレスがかかった場合にも、「うつ」の症状が重く、日常生活に支障が出る状態が2週間以上続く場合

 日常生活に支障が出た状態は「うつ病」の状態が悪くなりかけているということです。
 基本的にはできるだけ早く病院へ行き、適切な診断と治療を受ける必要があります。
 たとえ「軽度のうつ病」であっても、周囲の人との「誤解」の中で、本人はとてもつらい思い病気です。こじらせて自殺願望が高まり、何かのきっかけで「自殺」してしまう可能性もある病気だからです。
 ところが、本人は気づきにくい病気でもあります。また、「なんとなくうつ病かな」と思った時点で、必死に周りに隠そうとし、余計にわかりにくくなります。
ですから、家族・職場の同僚の方が、気づき、治療へつなげることが大切になってきます。

「うつ病」の気づきへのチェックポイントは、当ブログにも載せております。
他の参考サイトのURLもそれぞれ載せておきましたので、そちらでチェックしてみてください。
●ストレス対策(企業)
●ストレス対策(家族)
●ストレス対策(本人)

◆参考図書
「あなたの家族が病気になった時に読む本 うつ病」講談社 2,200円
◆厚生労働省 メンタルヘルス
http://kokoro.mhlw.go.jp/
◆厚生労働省 「心の耳」
◆働く人へ ホットライン メール相談 
生きる支える相談窓口 等の紹介
http://kokoro.mhlw.go.jp/hatarakukata/
心の耳
厚生労働省が作成しているサイトで、メンタルヘルスについての基礎知識や、電話でメンタル相談ができる窓口の紹介、メンタル不全から回復した人たちの体験談など、
医療機関・教育制度・支援助成度など、知りたいことが一度に検索できます。
文章も分かりやすく、とても参考になると思います。
ご家族の方に対しての情報もありますので、よろしかったら見てみてください。

◆healthクリック
http://www.health.ne.jp/library/