アスペルガー症候群

☆ ☆ アスペルガー症候群 ☆ ☆

「なんでこんな簡単なことがわからないのだ」
「ちょっと考えればわかるだろう?」
大声で部下を怒鳴った方は、以下の症状に思い当りませんか?
その部下は……、
□ 会話の裏が読めない
□ 予定外のことに戸惑う
□ 交渉ごとが苦手
□ 全体像がつかめない、
□ 選択的注意ができない
(たくさんの情報の中から自分に必要な情報だけを取り出すことが苦手)
□ 喜怒哀楽がないと誤解される
□ 顔が覚えられない
□ 「生きにくい」と感じている。
□ 2つのことを同時に出来ない
□ 興味があることに非常に優れた能力を発揮する

部下にこれらの特徴が多くあてはまる場合、「本人がどんなにやりたくても、できない」のかもしれません。アスペルガー症候群・高機能自閉症についてご紹介します。

● アスペルガー症候群・高機能自閉症かもしれない…

アスペルガー症候群の症状には、「社会性の欠如」「コミュニケーション能力の欠如」「強いこだわり」などがあります。知的障害はない「発達障害」です。

話は、部下の子供のころに戻ります。
小さいころから、「ほかの子となにか違うのかもしれない…」。
「わがままな子」「自分勝手」「友達づきあいができない…」とよく言われ、「周りに合わせて生きること」に困難を背負った子供たちがいます。
端的にいうと「空気がよめない」「困った子」という感じです。

アスペルガー症候群・高機能自閉症かもしれない、「グレーゾーン」と呼ばれる子供たちがいます。
「自閉症」の子供は、大体3歳児ぐらいに顕著な特徴が現れますので、「自閉症」と診断され、その子が「生きやすく」なるための特別な勉強をしていきます。つまり、周囲に「自分の特徴」を理解してもらい、的確なサポートを3歳児から受けることができます。
弱点も、特徴も、良いところも、周囲の方が「自閉症」にあったプロセスで接してくれますから、その子に合った、よい環境の中で育つことができるわけです。
ところが、アスペルガー症候群・高機能自閉症かもしれない、「グレーゾーン」と呼ばれる子供たちは、知的障害を伴わないため、
「勉強もできるし、運動もまあまあ、ちょっと自己中なだけじゃない?」
と、社会に認められる範囲内の学習・運動がいくらか「できる」ため、実は、「ほかの人と強調しながら社会に適応していくことが困難である」という社会的障害を見過ごされてしまいます。本人の性格のせい、あるいは、両親の「しつけ」に問題があると誤認されてしまいます。
そして、「グレーゾーン」の子供たちは、周囲から「困った子だな~」「何度言ってもわからない」などと、「高機能障害」であるための困難が生じているにもかかわらず、理解されず、非難を浴び続けながら育っていかなければならないのです。
「みんなと同じことをしなければならない」
「周囲の状況を見て自分をあわせていかなければならない」
小学校・中学校では集団行動が求められますから、高機能障害を持つ子供たちは、周囲の不理解に苦しみながら成長していかなければなりません。
小さい時から「誰もわたしのことをわかってくれない…」という気持ちを抱えて生きていかなければならないのです。
アスペルガー症候群・高機能自閉症かもしれない、「グレーゾーン」と呼ばれる子供たちには、神様からのギフトがあります。「ある特定の自分の興味が持てるモノ」に対して、集中力と、飛躍的な才能を発揮できる力があります。
彼らの、内的世界を知るためには、これらの本をお勧めします。このような環境の中でハンディを背負いながらも、力強く自分の才能を開花させてきた作家たちの自叙伝です。

参考図書:高機能障害の困難と特徴、才能を生かして自著した作家たち
☆「われ自閉症に生まれて」テンプル・グラディン
☆「自閉症だった私へ」ドナ・ウィリアムズ
☆「変光星」森口奈緒美

高機能自閉症・アスペルガー症候群の子供たちは、社会的ハンディを持っているにもかかわらず、その特徴を周囲に理解されなかったために、健常者と「みんなと同じように考え、動くこと」を強要され、できなければ非難を浴び、辛酸をなめてきました。
彼らには、非常に素晴らしい才能があります。その才能に理解と敬意をもち、「高機能障害」ゆえの特徴であることを周りの人たちが、理解すること。ありのままを受け入れてあげるような環境を作っていくことが、求められています。

「なぜなのだろう…」と自分を責めながら生きてきた子供たちが、今大人になり、社会に出て、「周囲に適応できないこと」に苦しんでいます。彼らが「生きやすい環境」「周囲の理解」を作っていくことが、学校や家庭だけではなく、企業や会社の中でも求められています。
あなたの部下が、「あいつの才能はすごいんだが、なんか自己中―なんだよな」とか。
「遅刻や場に応じた発言ができないことについて何度言っても治らない」などと、感じたら、「高機能障害」について、「こんな特徴があるんだ」「本人がやる気があってもできないこともあるんだ…」ということを知っておくだけでも、「グレーゾーン」で生きてきた子供たち(社員)にとっては、「何にも代えがたい力」になるのです。
あなたがほんの少し、その部下の「困り感」に寄り添うことで、その部下は、あなたを心から信頼します。「認められている」という土壌が作られることで、驚くべき才能を開花することでしょう。

● アスペルガー症候群・高機能自閉症かもしれない人の特徴

大人になっても発達障害は残る

アスペルガー症候群の症状には、「社会性の欠如」「コミュニケーション能力の欠如」「強いこだわり」などがあります。知的障害はない「発達障害」です。
この、発達障害は発達中のこどもの病気と思われがちですが、その特性は大人になっても基本的に変わることはありません。
知的能力の高い、アスペルガー症候群の場合は、他の発達障害(自閉症、ADHD、LD)に比べて気づきにくい面もありますが、やはり子ども時代には、アスペルガー症候群特有の何らかのエピソードを持っています。
発達障害は、遺伝的な素因も含めて、母親の胎内にいるうちから形成される「脳」に機能障害が起こる生まれつきの病気ですので、その特性は大人になっても基本的にはかわりません。
ただし、成長にしたがって治療や訓練を受け、上手な対処法を学習していくことで、大人になって社会生活を送っていくことは充分に可能です。

参考図書:
★児童のアスペルガー症候群についての書籍
☆「見てわかる困り感によりそう支援の実際」佐藤 暁著・学研
☆「発達障害を持つ子の『いいところ』応援計画」 阿部 俊彦・ブドウ社
☆「知的障害のことがよくわかる本」有馬正高・講談社
☆「発達障害かもしれない 見た目は普通の、ちょっと変わった子」
磯部潮著・光文社
★青年期のアスペルガー
☆「アスペルガー症候群と高機能自閉症の理解とサポート」杉山登志郎・学研
☆「アスペルガー症候群と高機能自閉症 青年期の社会性のために」杉山登志郎・学研
★企業・職場
☆「職場のメンタルヘルス実践ガイド」佐藤隆著・ダイヤモンド社(うつ病など職場のメンタルヘルスについて・アスペルガーの記述もあります)
職場でメンタルヘルスをどうしていったよいかに関する具体的な方法が明記されています。

● 大人のアスペルガー症候群の特徴
(ここでは、大人のアスペルガーについて述べます)

□ 会話の裏が読めない
□ 予定外のことに戸惑う
□ 交渉ごとが苦手
□ 全体像がつかめない、
□ 選択的注意ができない
(たくさんの情報の中から自分に必要な情報だけを取り出すことが苦手)
□ 喜怒哀楽がないと誤解される
□ 顔が覚えられない
□ 「生きにくい」と感じている。
□ 2つのことを同時に出来ない

● 見えないものは理解できない
彼らの特徴の一つに、「目に見えないものは理解しにくい」というものがあります。
彼らは、目に見えるものに関しては、抜群の記憶力を発揮することがあります。しかし、相手の気持ち、「どんなことをすれば相手が不快になるのか」が理解できません。そのため、見たまま「太っているね」「くさいね」などの言葉を平気で発します。
彼らの病気のことを全く知らない、あるいは理解していない人からは、なんて失礼な人だと思われがちです。それが子供であれば、親の「育て方」「しつけ」を責められ、敬遠されてしまいます。

●交渉事が苦手

アスペルガー症候群の人は、狭い範囲で深い知識を得ることが大変得意ですので、多くの情報を記憶することや、単純な作業を根気よく続けることには優れています。
反面、交渉ごとが多いような仕事は、彼らがもっとも苦手とする分野です。
それは、アスペルガー症候群の人が持っている社会性の障害、コミュニケーション能力の障害、想像力の欠如などがスムーズな人間関係を作りにくくするからです。
ですので、アスペルガー症候群の人は得意分野にあった、実力が発揮できる仕事につくことが必要になります。

● 予定外のことに戸惑う「単純な未来予測ができない」

アスペルガー症候群の人は「想像力を働かせる」という作業が難しく、すばやく発想の転換をすることも不得手です。
「ちょっと考えればわかるだろう?」という、簡単な未来予測ができません。
「Aをしたことによって、何が起きるのか」「Bをするためには、どのような手順が必要か」。危険予測や、計画、予定変更に対応することなどが困難なのです。

アスペルガー症候群の人は数字や漢字などの「普遍的なもの」に対しては安心感を持ちますが、「変動するもの」には強い不安を感じてしまいます。このため、日常の場面では、予定外の仕事や変更にはひどくとまどってしまうということになります。

社会人になり、新人研修を終えると、個人の裁量に任されるようになります。
「あとは、適当に」「そこはうまくやってね」と、具体的な指示をその都度出すことはありません。通常は、「信頼の証」とされます。
ところが、アスペルガー症候群の人は、そのように言われると、「そこ」ってなに?「うまく」って「どうするの?」と、目標を達成するために、どのような手順で、何をやっていけばいいかという、具体的な見通しを立てることが苦手ですから、混乱してしまいます。
「こうすれば、こうなるだろう」「この結果を出すためには、これとこれのプロセスが必要だ」などの、だれでもできる、短期未来予測が難しいからです。
「見えないものは、理解しにくい」。暗黙の了解・ルール・タブーがわからないのです。

●視覚的支援が有効

では、このような特徴を持つ彼らが、イキイキと自分の才能を発揮できるようにするために、周囲の人は何をしてあげることができるでしょうか?

できるだけシンプルな「イラスト」や、作業工程、今日、明日の予定などを簡潔に視覚的にわかりやすい掲示をすることが大きな手助けになります。変更なども、突然ではなくできるだけ前もってつたえておくことで、心の準備ができます。視覚的に「予定ボード」に書き込んだ後、納得できるように説明します。締め切りが視覚的に「カレンダー」に書き込んであると、「締め切りを何度言っても守らない」部下にとって良い支援となります。

※具体的な作業工程を壁などに掲示し、視覚的に、「何をどのようにしていけばいいか」を理解できるようにすると、大変助けになります。また、指示を出す時も、できるだけ具体的に「何をどうする」ということを伝える。一度にたくさんの指示ではなく、対応可能な範囲で指示を出し、できたら次に進む。その人にあった具体的支援が必要です。
単純なマークや絵。工程をシンプルに掲示し、「何をしたらいいかわからなくなったら、ここを見れば、わかる」という環境を整える、「視覚的支援」が大変重要になってきます。

● 全体像がつかめない

アスペルガー症候群の大きな特徴として、すぐに全体像をつかむことができないことがあります。
五感がある特定の刺激に対して、極端に鋭いあるいは鈍いという特徴があります。
「臭気・音・光・摂食」。写真のフラッシュでパニックを起こすという事例もあります。
また、理解が「目で見て確認できるもの」に偏っているため、全体像を把握することが困難、あるいは時間がかかります。
普通の人は木を見たとき、瞬間的に「木」として認識することができます。しかし、アスペルガー症候群の人にはそれが難しいのです。
アスペルガー症候群の人は、全体を見る前に、まず目の前の葉っぱに注目します。1枚の葉っぱの特徴をよく観察し、今度は別の葉っぱを観察します。そうやってみていくと、一つとして同じ葉っぱはありません。やがて、枝があることに気づき、さらに幹があることに気づきます。そこで、やっと「葉があり、枝があり、幹がある・・・これは木だ」ということになります。
これは極端な例ですが、このようにアスペルガー症候群の人は細部に集中するあまり、全体像をとらえにくいという特徴を持っています。
アスペルガー症候群の人の、仕事上の作業効率が悪くなるのは、全体像を把握するのが必要な場面で、細部に集中しすぎてしまうせいなのです。

※アスペルガー症候群の「フォーカス」の状態を体験するには…耳栓をして、人差し指と親指で○を作って目に当ててのぞいてみてください。
狭い視覚に入る情報しか認識できず、音も制限されています。
多くの視覚的情報から、重要な所だけを選んでみること、あるいは、重要ではない部分を認識しないということができないからです。顔を覚えにくいのもそのためです。
後ろから大声で「○○さん」と話しかけられても気づかないのは、無視しているわけではありません。呼んでも返事がないときは「フォーカス」の状態に入っているので、体を優しく触れて、顔の正面に来るようにして、「○○さん」と優しく呼びかけてください。
(接触をひどく嫌がる場合は、正面に立ち、視界に入るようにしてから呼びかけると気づきます)

● 選択的注意ができない

「選択的注意」というのはたくさんの情報の中から自分に必要な情報だけを取り出す能力です。これは「カクテルパーティ効果」とも呼ばれ、会話がたくさん飛び交う騒がしい場所でも1つ聞き取りたい会話があれば意識することで聞きとれることができる、というものです。
アスペルガー症候群の人はガヤガヤとした環境の中にいると、すべての音が耳に入ってきてしまうために、必要な情報や相手の声に集中することができません。
アスペルガー症候群の人にとって耳栓はある意味必需品となります。耳栓をしたほうが、かえって相手の声が聞き取りやすくなります。またノイズをキャンセルするヘッドフォンなども有効です。
これは、視覚についても同様で、例えば、机の上が乱雑にちらかっていると、その中から必要なものを選ぶのが難しいのです。
支援としては、余計なものが目に入らない環境を作ることも有効です。
ボードで仕切る、窓にスクリーンを張って景色が映らないようにする。
引出が多ければ、簡単なイラストで中身が見えるようにする。などの支援が必要です。
また、周囲がまぶしく感じることも多く、その際はサングラスが有効になります。

● 喜怒哀楽がないと誤解される

アスペルガー症候群の人は、その場の状況にふさわしい表情をすることができないため、多くの場面でつらい思いをしています。
アスペルガー症候群の人は「喜怒哀楽がないのではないか」と誤解されてしまうことがしばしばあります。しかし、アスペルガー症候群の人にも当然、うれしい時や悲しい時があります。
たとえば、最愛の人や、自分を可愛がってくれた人が亡くなった時なども、悲しい顔をすることが出来ないため、周囲にはその悲しみが伝わりません。しかし、後から「悲しくて、もう自殺してしまいたい」などと言って周囲を驚かすことになります。
それは、さまざまなことに考えをめぐらせてしまい悩みを深めてしまうのでしょう。
これなどは周囲の人にはなかなかわかりにくいため、アスペルガー症候群の人は誤解を受けてつらい思いをすることになります。

● 顔が覚えられない

私たちは生まれながらの習性として、相手の目を見ることによって、その視線の方向を探ろうとします。しかしアスペルガー症候群の人は人の顔や目に関心があまりありません。そのため、相手の目を見て気持ちを探ることがうまくできません。
実際に、毎日会っている会社の同僚や友人の顔が覚えられないとか、服装が変わると見分けられないということがあります。
また顔の表情を見たときに、そこから相手の感情を読み取ることも苦手です。たとえば、怒った表情で近づいていっても、それを見て自分が怒られているということを、理解することは難しいのです。
このように、相手の様子にふさわしい態度が取れないため、どこへ行っても人間関係に支障をきたすことになりかねないのです。

できるだけ具体的な指示と、イラストや作業工程がわかる「視覚的支援」が必要です。

※ にっこりマーク、怒っているマーク、困っているマーク、今日の予定表、工程表など、単純なマーク「イラスト」で視覚的に訴える「パターン認識」、ボードに「何をするべきか・手順」を掲示すると、彼らの理解の助けになります。

●「生きにくい」と感じている。

人によってアスペルガー症候群の出方はさまざまですが、本人は成長の過程で「自分は他の人とどこか違っている」とか「なんとなく生きにくい」と感じているものです。
それはアスペルガー症候群の原因が「生まれつきの脳の機能障害」にあるからです。アスペルガー症候群の人は知的障害がないために、周囲の人に合わせようと努力をしながら生きています。生まれたときから、普通の人とは違う感覚を持ちながら「変な人と思われない行動」をしないように努力をしています。
ことに、知能の高いアスペルガー症候群の人は、「こういう時はこう反応する」という知識を学び取りながら、かなりの程度まで、周囲にあわせることができるといいます。
アスペルガー症候群の症状は大人になって突然でてくるわけではありません。大人になって社会生活を送るようになると、アスペルガー症候群の症状を表面化させてしまうので、大人になってから意識するようになるのです。

● 2つのことを同時に出来ない
普通の人は社会生活を送るうえで、ごく自然に2つのことを同時進行させることが可能です。
たとえば、話を聞きながらメモをとる、電話をしながら書類を見るなど、特に難しいことではありませんが、アスペルガー症候群の人の場合は、話を聞くときには「聞くことに」集中するため、同時にメモを取ることには困難を感じてしまいます。その結果、何をしたらよいかわからなくなってしまいます。
また、アスペルガー症候群の人には、複数の情報処理が苦手という脳の特性を持っているため、2つのことを同時に進行させることが必要になる仕事は不得手です。
ですので、アスペルガー症候群の人に指示を与えるときには、要点をひとつひとつ伝えて、順を追って達成させる必要があります。

● 大人のアスペルガー症候群…社会適応のための療養・学習

現在のところ、根本的にアスペルガー症候群を治す薬はありません。
というのも、本人のキャラクターや、性格的特徴や考え方が周囲と少し違うということに似ています。だれでも得手不得手があります。怒りっぽい性格の人やのんびりした人に薬は飲ませませんよね。
彼らの病気は治ることはなく、治療方法も、療育(治療教育)という、「生きていくためのスキル」を身に着けていくことであり、そのために大変な努力を必要とします。
「デイケア」による治療もあります。
大人のアスペルガー症候群の人がもっとも困るのは、社会性や、対人コミュニケーションの障害があるために、社会にうまく適応しにくいという点です。そこで大人のアスペルガー症候群の治療では、「デイケア」という手法を用いることがあります。デイケアは医師をはじめ、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理士など多くのスタッフを交えて行います。グループでお互いの悩み事を話あったり、作業活動をしたりすることを通じて、社会での対応の仕方を学んで行きます。復職支援プログラムではうつ病の他にアスペルガー症候群を併発していると認められる場面においては、まずうつ病の治療や改善を主に置き、アスペルガー症候群に関しては日々の日常ワークなどを通して学びを深めているところが多いです。

他には、「本人のつらいと感じる症状」を軽減するための適応学習・療養が行われます。
アスペルガー症候群に人は、何らかの心の傷を負っていることが少なくありません。ですので、うつ病、不安障害、アルコール障害などの二次障害に悩まされている人は大変多くいます。そのため、治療薬は抗うつ薬や抗精神病薬、気分安定剤を用いて治療を行います。

彼らは病気のハンデキャップのほかに周囲の無理解というハンディも同時に背負わされています。彼らの「ずば抜けた能力」「愛すべきキャラクター」を認め、「頑張ってもできないことがあるんだね」と、特徴を理解してあげること。「苦手」なことに「視覚的支援」を行うこと。彼らの「好きなこと」に「興味をもってあげる」こと。しきりや窓にフィルターを張って視覚的な余計な刺激や音を除いてあげること。締め切りの分かるカレンダー。今日明日の予定掲示…。どうしてもつらいというとき、休んでもいいMyスペースなど。

具体的な支援の方法は、「何を苦手としているか」にちょっと気づくことで見えてきます。
実は、軽度でもこのような特徴を持つ子供たちは、クラスに2・3はいるのではないかと思われます。個人情報として秘されていますが、無視できないほど確実に増えてきているのです。その子供たちが成長して、社会に出てきています。今現在、企業で働いているのです。本人は必死に努力し、自分のハンディを埋めようとしますが、自分ではどうにもできない部分も確かにあるのです。

企業に「メンタルヘルス」に対応することが求められています。アスペルガーも同様です。「今まで病気のせいで傷ついてきた」彼らによりそう支援の在り方、「企業」にも求められています。
「なんでこんなこともできない」「なんどいったらわかるんだ」と怒鳴る前に、部下を見る視点を変えてみてみませんか?
「なんで俺がこんなことをしなければならないのか」と思うかもしれません。ですが、「ピンチはチャンス」です。

その部下に対して、「長所・短所を認め合うこと」「困り感によりそう環境」を整えることは、そのほかの部下にとっても、「居心地の良い」環境になることでしょう。
また、あなたが、その部下を認め、支援している姿を見た多くの部下は、あなたに対して「強い信頼感」を覚えるでしょう。
一人の部下の「困り感」に寄り添うことで、「ダメ出しの職場」から「認め合う職場」へと変わります。それが「だれもが認め合いながらイキイキと実力が発揮できる職場」へと発展し、あなたへの評価は高まるでしょう。
一人を大事にすることが、企業全体の活力に結びつくのです。